事件:探偵に元妻の住所調査を依頼

  • 最新情報

■探偵に元妻の住所調査を依頼 神奈川の女性刺傷事件

神奈川県伊勢原市の路上で女性(31)が刃物で切りつけられ重傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された元夫の貞苅詩門(さだかり・しもん)容疑者(32)が探偵業者に女性の住所を特定するよう依頼していたことが29日、県警への取材で分かった。

 県警によると、貞苅容疑者は女性と別居後の平成23年9月ごろ、女性宅の住所を調べるよう探偵に依頼。女性の実家は結婚当初の居住地から転居しており、探偵業者は同月ごろ、伊勢原市内に移っていた女性の実家を特定したが、女性宅の特定には至らなかった。

 その後、貞苅容疑者から住所を調べてほしいと頼まれた貞苅容疑者の母親(57)が女性の実家周辺で、女性の親族が使っていた車を発見。それを基に同年11月末、女性宅を特定した。

 母親から連絡を受けた貞苅容疑者が住所を探偵業者に伝え、「暮らしぶりを見たい」と依頼。母親によると、間もなく探偵業者から女性と長男(6)の写真が送られ、貞苅容疑者はその写真を見て安心していた様子だったという。

今年4月18日にも、貞苅容疑者の依頼を受けた母親が「女性の暮らしぶりを知りたい」と探偵業者に頼み、探偵業者は同月20日、隠しカメラを仕込んだ自転車を女性宅敷地内に設置。女性は同日、「不審な自転車がある」と県警に通報していた。

 県警は「女性宅の特定から犯行までに1年半が経過しており、今回の犯行目的で女性宅を調査した状況は、現段階では認められない」としている。また、母親は、貞苅容疑者に協力して女性の住所を調べていたことについて「孫の様子を知りたかった」と説明しているという。

◎調査会社の報告が、最終的には犯罪に関わってしまった事となる事件で、考え深いものがあります。弊社では調査依頼をお受けする際、正当で合法的な依頼内容か吟味した上で、契約を締結するように心がけています。しかし、ご契約時には良識のある依頼者であったとしても、調査結果を聞いた途端、冷静ではいられなくなる方も少なくはありません。そこで私どもが考えるに、調査会社としてのスタンスは、調査をするだけではなく、その後のアフターケアも必要だという事です。依頼者の方の幸せに繋がる事、依頼者を守る事、依頼者が逸れた道へ暴走しないよう心のケアをきちんとする事。これが本当の探偵だと思います。