JR大分駅北口の整備計画案まとまる

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 中世に豊後で花開いた南蛮文化と大分の未来を”玄関口”に凝縮―。大分市は、都心南北軸整備事業の一環として取り組んでいる、JR大分駅北口駅前広場の整備計画案をまとめた。豊後を拠点に活躍した戦国大名、大友宗麟が広げた南蛮文化をテーマの柱に位置付け、彫刻を配置したり南蛮時代の世界地図を地面に描くといった演出で大分の観光振興につなげる。駅ビルの誕生に合わせ、2015年3月完成を目指している。
 
 計画案では、駅舎に近い側に、南蛮文化にちなんだ彫刻や世界地図を東西にほぼ一直線上に配置。西から順に▽ガレリア竹町に設置している南蛮船(西側ロータリーに移設)▽宗麟と親交のあったフランシスコ・ザビエルの彫刻(高さ約3メートル)▽宗麟の彫刻(現在のロータリーにある彫刻を移設。高さ約6.5メートル)を置く予定。
  地面には▽南蛮時代に描かれた「JAPAN」の国名入りの円形世界地図(直径約13メートル)▽宗麟の洗礼名を示す印章「FRCO」のマーク(同)―などを、タイルや石で描くことを検討。市駅周辺総合整備課は「南蛮文化とのゆかりが深い大分の特色をアピールする」としている。
  中央町商店街に近いエリアは「未来につながるニュートラルな広場」(同課)とする。昼食を取ったり、小さなイベント舞台として活用できる「みんなのテーブル」(直径約10メートル)や水遊び場を設ける。広場には各地に樹木も植える。1912年の木造駅舎完成時に植えられ、その後、旧野津原町に移されていたクスノキも里帰りする。
  広場には当初、遊歩公園にある南蛮時代の銅像を移設することも検討していたが、これまでの市民意見交換会で「現状の場所に愛着がある」との慎重意見が多いことから見送った。「大分の”今”を表す現代アートも展示するべきでは」といった意見もあり、市は9月中にも計画を固める。
[2012年09月07日/大分合同新聞]

◎15年度中には、パルコ跡に大分中村病院の開業(同所に移転、2015年度中の開業を目指すと発表。高齢者住宅や介護施設も入居する「ヘルスケア拠点」として整備する構想を示した)も決まっており、大分の玄関口が賑わう事を期待しています。